http://selfmadeboat.com/item/ikesu.html

イケスとは、養殖魚のイケスなどもありますが、自作ボートに設ける魚を活かしたままにできる貯水槽のようなものです。

漁船などにもイケスがあり、獲れた魚を放り込んでおくと漁港に帰ってもまだ魚がピンピンとしており大変に便利な設備です。

注意:下のビデオを再生すると音が出ます。

自作ボートでも、作りこむことができます。魚釣りをしないボートには不要ですが、フィッシング目的のボートであれば作っておいた方が何かと役に立ちます。

作り方は、簡単で船内を四角に囲み、船底に穴を空けて、スカッパーと言う栓みたいなものを取付ければできます。

「SMALL BOAT」誌の国方氏の記事のボートには、イケスはついていませんでしたが、私はシーバス釣りが目的でボートを製作しているのですから、当然イケスを作ることにしていました。

また、ヤマハの釣りっこ太郎にも最初は付いていなかったのですが、小さなボート屋さんに頼んでイケスを付けてもらったこともあり、イケス無しのボートは考えられませんでした。

私の自作ボートは、船体中央部の座席になる部分にイケスを作りました。

すでに船体横方向に平行に2枚の隔壁(バルクヘッド)があり、それらに直交するように2枚の板を取り付けて、船底部分に穴を空ければ簡単にできます。

私は、中央座席部の船首に向かって左側を同行者の座席、中央部をイケス、右側を物入れとしています。

後部座席には船外機のハンドルレバーの関係で右舷側に座りますので、船体の重力バランス上中央座席の乗員は左舷側に座った方が安定が良くなります。

イケスを右舷側に設置し、中央部を物入れとするか、物入れを無くしてその分イケスを広くとるかはお好みです。極論すれば、中央座席下を全部イケスにすることも可能かと思いますが、そんなに大きな魚がこんな小さなボートで釣れるかどうか。

また、船首、船尾の座席下は、浮力室として浮力材を詰め込みますので、実質フタのできる収納スペースは中央座席下しか取れないので、全部をイケスにするのではなく、一部収納スペースにした方が合理的であると思います。

いずれにしろ、生き餌のアジを釣ってからのヒラメ釣り等にイケスは大活躍ですので、フィッシングボート志向の方は、是非イケスの設置を検討してください。

イケスの水の出入り口として、船底に穴を空けますが、この部分には通常、スカッパーと呼ばれる部品を付けるとよいと思います。

池田式スカッパーが、市販されていますのでこれを利用されるのがいいと思います。常に海水が入ってくるし、魚は逃げることができないしで便利です。なかなか近所のお店で売っているわけではありませんのでネットで調達するのが現実的です。

スカッパーを取り付ける比較的大きな丸い穴を船底に開けることになりますが、電動ドリルのホールソーを使用するか、糸鋸等を使ってください。

ボートにイケスを付けている方は、ご存じでしょうが、高速で走行するとベルヌーイの定理でイケス内の水が吸い込まれて、イケス内の水がなくなる現象が生じます。

自作ボートの2馬力程度の速度(約 8km/h前後)では、水が吸い込まれて無くなることは生じませんので、水確保用のパイプは不要です。

なお、中央部にイケスを設置した場合、座席面を広くするためにも天板は設けた方がいいと思います。

イケダ式スカッパー A-01改
イケスの中の海水等を出入りさせるための栓となるイケダ式スカッパーです。自作ボートにイケスを作る時には、不可欠な部品です。